今のぼく、そして過去のぼくのこと。


by cheaptrip
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カテゴリ:本( 5 )

書棚

一心不乱にひとつのことに没頭する人の書棚に興味がある。最近聞いた事だが研究者の書斎もその人が亡くなると大抵は処分ーつまりは古物商に回されるということだがー まとまった蔵書としてずっと残り続けるということは稀だそうだ。ここ数年この世を去っていった知人の書棚はどうなっているのだろうか、今朝そんなことをつらつらと考えていた。
仕事の関係上、大きくて重たいそして値段の高い本ばかりが自宅も仕事場も占拠している。新しい本棚を新調したとしても、すぐにそれらは一杯になり、隙間という隙間にまで適当に本は詰め込まれたままだ。写真集だけでも月間数冊のペースで増え続けている。20代の頃はそこまで経済的な余裕がなく、泣く泣く、いや、あっさりと買うのを諦めていたかもしれない。40を目の前にして、以前よりも沢山の本を買う事が出来るようになった。なので、ゼロ年代の後半からの本が我が書棚を占拠し始めている。今生きているということの証かもしれないと雑然とした棚を眺めながら思う。
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by cheaptrip | 2009-06-05 15:14 |

夜の街の思い出

北新地の奥の方にお目当てのライブハウスはあった。
大阪の外れの田んぼの中で暮らしていた、ぼく達にとって、「あこがれの北新地」などという気分ではなく、ネオンが煌々と明滅する夜の街で変な人にからまれたりしないかとしわくちゃになったチラシ一枚を頼りに恐る恐るその奥の方へと進んで行った。

心斎橋のレコード屋「川村レコード」にこの間行ったら、オーナーが、「今度ライブやるんで。。。」とちょっと控えめに一枚のチラシをくれたのだった。
B5判の黄色い紙にスミ一色ですられた黒人の顔のとても渋いデザインで、チラシの右上にそれほど大きくはないが、結構目立つ文字で、「ブルースばっかり、ええかげんにせぃ!なにわブルースナイト」とあった。
その日は4つのローカルバンドが出演する予定になっており、レコード屋の主人は最後に出て来る「キング川村バンド」というのに出ることは聞かなくても分かる。

「で、川村さんは何を担当されているんですか?」
いつも、レジのカウンターの影に隠れるように座っている一見寡黙そうな初老の男性がブルースを自らプレイする、というのもあまりイメージが沸かなかった。
その答えは実にシンプルだった。

「歌です」


その、川村さんの「歌」というのが、妙に気になって今日は学校を途中で抜け出してやってきたのだ。ごみごみした飲み屋街のど真ん中に目当てのライブハウスはあった。
木でできた重たいドアを開けると、暖房とウィスキーの香りとが混然一体となったような生暖かい空気と、ザクザクとしたいつものシカゴビートを刻むBGMが、体全体を包み込んだ。ブルースのライブに足を運んだ時のこの瞬間が好きだ。
小さなレジカウンターで、チャージを支払い、ワンドリンク分のコインを受け取り客席の中央のやや前よりのテーブルに腰をつけた。開演30分前だというのに、席についている客の数はまばらで、しかしがら空きというわけでもなく、早めに着いた客達は既に適当に飲みながら、大声でお互いの世間話に高じているといった感じだ。
演奏が始まらなければそのまま普通に帰っても不自然じゃないほどブルースのライブ前というのは、その辺の居酒屋のような雰囲気になる。開演前に飲み過ぎて寝てしまうオジサンもいる。

とりあえず、オーダーを取りに来たので、ビールを注文し、軽く緊張しながらステージが始まるのを静かに待っていた。
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by cheaptrip | 2005-12-18 17:54 |

弁当

よく晴れた週末です。風が少し冷たいですが、朝からとても気分が良かったので、今朝も弁当を作って出かけました。

冷蔵庫の中には肉サカナ類がない。あるのは野菜だけ、という状態なので、傷みやすいものを総動員してボリュームを出す、ことを心掛ける。小編成でいかにゴージャスなムードを出すか、ということに工夫を凝らしたジャンプ・ブルースの心意気に似ていなくもない、か?

カボチャのサラダ、ひじきと油揚げの煮物、インゲン、しめじ、ブロッコリーの中華風炒め物、柴漬などを用意して弁当箱に盛り付ける。中華風炒めは、鶏ガラスープの他に紹興酒で香り付け、水分でひたひたしている間におろしニンニクを少々投入し、よくかき混ぜる。インゲンのグリーンとキノコの彩りが美しい、などと珍しく自分でしたことを誉めてみた。

思えばこの自作弁当作りも気が付けば10年選手だ。10年前のぼくのつくるものといえば、ただの白いゴハンと漬け物、あとは丸美屋のふりかけをどばどばかけただけ、という代物で、おかずは、というと学食に行って、弁当を広げている女子の隣にわざとらしく座って、めぐんでもらう、ということばかり繰り返していた。

そうして、お金を節約して、当時でも高いと思っていたバライタ印画紙を買ったり、
お酒を飲んだりしていた。思えば本当にお酒ばかり飲んでいた気もしないことはない。
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by cheaptrip | 2005-11-12 12:52 |
5月の連休があけた頃。エアコンのない、7畳間の何もないアパートの窓を全開にして、昼寝をしていると、近くのたんぼからカエルの大合唱が聞こえて来る。
畑だのたんぼだのというのを身近に触れたことのないぼくには、新鮮でもあったが、
同時に、なんでこんな片田舎に住んでいるんだろう、という疑問も同時に浮かびあがっていた。ここは大阪のはずれ。窓の外から見える葛城山系の山々を超えるとそこはもう奈良だ。おかしい、こんな筈じゃなかった。と思うのだ。

最寄りの駅まで徒歩40分。スクールバスのない日曜日には、一時間に1本か2本しかない、路線バスと1時間に4本やって来る郊外電車を乗り継いで大阪の街まで行く、なんていうことを想像しただけで、外に出るのがうんざりした気になって、休日はいつまでもベッドの上でごろごろしている日々だった。

これから書こうとしていることに、気恥ずかしさというのを拭えずに果たしてどこまで続けることが出来るだろうか、という気になっている。
もうひとつ、言っておこう、今やこのブログ、毎日3〜4人しか見ていないのだ。多くて6人。
本家雨男に最強の雨男が嬉しそうに書いているのを見て、自分もまねしているみたいで格好悪いじゃないか。それにこの話を書きはじめるともう一人の読者E透は、あまりにも身近にぼくのことを知り過ぎている。

しかし、書かねばならない。
例によって四谷の酒場でいつものようにバカ話に高じているうちに、つい口が滑って、若かりし頃の貧困とドジと酒と写真にまみれた思い出話を暴露してしまったのだ。
テーブルのトイメンには、出版プロデューサーなる肩書きを持つオヒトが座っていたのである。酒の席だし冗談だろうと思っていた。
しかし、翌日冗談は巧妙にギャグめかされたマジだということを、イヤという程気付かされたのです。

で、こうやってブログに書こうとしているのは、この続きをこの数少ない読者にいちいち聞きながら書いていってみてはどうか、と思ったのである。

これぞ、インターネットの特質、双方向性というヤツです。ブログをはじめて間もなく二年。ここにきて初めてその有効性を利用することになるとは余りにも遅過ぎる、という意見もあろうが、そもそもITベンチャーに勤めるヤツだって、池袋の別称と間違えたくらいなんだから、なぁに構うもんか。
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by cheaptrip | 2005-11-07 16:46 |

息抜き中。

新宿熱風どかどか団朝日文庫

時々夕食後の腹ごなしの散歩がてら、近所のブ*クオフにいきます。
だいたい100円均一コーナーを物色しつつ、4〜5冊買って、通勤途中の暇つぶしにしています。で、必ず手にしているのが椎名さんのエッセイ。

写真をみたり、長い原稿に目を通したりと帰りの電車は目が疲れているのでたいていのものは目が拒否反応を示すのですが、椎名さんの本だけは自然と目がついてくる。

本の雑誌社設立から法人化あたりまで、サラリーマンを辞めたばかりの椎名氏のエピソードを綴った本ですが、例によって不思議な魅力溢れる著者に対する興味もあって、最後まで一気に読んでしまう1冊。
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by cheaptrip | 2004-09-09 22:59 |