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今のぼく、そして過去のぼくのこと。


by cheaptrip
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明るいゴールデン街

夜、打ち合わせのため新宿。M氏がいつも使ってるゴールデン街の隅の方のお店の2階へ。雨がヒドかったので富久町からバスに乗ろうと思ったが、道が混んでいるらしい。10分に1本あるはずが、到着予告も表示されていないので覚悟を決めて歩いて向かう。

いつものように、木製の重たい扉を開けると、ままさんが、もう上にいるよ、と目くばせして奥へ通してくれる。冷たい雨の中からお店に上がると、中々良い感じで暖房が効いている。ぼくの仕事場よりも暖かい感じだ。今年1年間お世話になったので、四谷名物キンショウバイをお歳暮として持参する。M氏は昔、この店の近所に住んでいた事もあった。お好きなようだったので嬉しい。

お付き合い頂いている案件の今年の総括、そして来年の方向性や、作業の段取りを説明し了承頂く。あとはいつもの通り、たまにはゆっくりやろう、ということで12時過ぎまで楽しいお酒の会でした。いつもそうなのだけど、夕方から全部終わるまで支払いはM氏が全部出してくれる。変に気を使って先回りして支払ったりすると、ママさんがあとで怒られるから受け取れないと言われる。

でも、ひさしぶり、というのは僕に対してのことで、そういう久しぶりに一杯、という機会がメタクソ多いんじゃないか、とも思う。

高野山の師匠も、今やそういう機会が多いんだろう。僕が生徒だった時は下戸だったが、いつの間にか自分で生ビールを注文して飲んでいる。うまいと思っているかは別だが。あまりの付き合いの多さにご祝儀貧乏だ、とこぼしていた時もあった。
短期的な結果を求められる訳でもなく、ただ気長にずっと自分のしている事を遠くから見ていてくれる人が何人かいるだけでも、この得体の知れない世界に身を置いている自分としては、どんなに気が楽になることだろうか。そういった上下関係でこの世界は結ばれているのだ。
日々まともに写真と付き合うということは、自分の家族よりも濃密な付き合うということでもある。ぼくの場合は、それで自分の親父とろくすっぽ口をきかぬままに、気がついたらしゃべれない人になっておりしばらくして逝ってしまった。それが悪かったのか良かったのか、よく分からないが、結果としてそういう事であった。何かに突き進んで行く者は、それと引き換えに大きな亡くしものをするものだし、たぶん理解してくれると思う。

12時頃お開きとなり、2軒目の店を出ると雨がやんでいる。ほろ酔い気分のまま靖国通りを歩いて曙橋の自宅へ戻る。途中で缶ビールを1ケ買って、シャワーを浴びたあと、暖房を効かせた部屋の中で冷たく冷えたやつを一息で飲んで寝る。
by CHEAPTRIP | 2008-12-18 17:35 | 新宿暮らし